オレンジ色に染まったソーダアイスがパキッと割れた。『あたしの前では無理しなくていいよ。そういうの苦手だし』夕暮れ時の帰り道。あの子はぶっきらぼうに言いながら、アイスを差し出してくれた。ーーー
続きを読む
前髪を切った。目にかかるのが嫌だったから。別に色めいた理由じゃない。パチパチパチとハサミを動かして、鏡とにらめっこ。人間は本質的に平等らしいけど、私の生きる社会は不平等だ。ーーー
ぽっかりと時間が空いてしまった。LINEの通知には気づいている。でも、既読はつけたくない。話し方を思い出したくて、日記を取り出した。一面に広がる『親友』の文字。かつては心地よい響きだったのに、いまは見るのもつらかった。ーーー